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迷う。

迷っております。久々に。
いつもは直感でがしがし進んでいくタイプ故、あまり悩んだり迷ったりすることがないのです。
でも今回は大きな岐路に立ち、久々に“迷い”に気持を支配されている。

雇われか?独立か?
フリーランスになるのもいい機会かもしれない。そのための準備は以前から進めてきたし。
でも、タイプ的に、誰かの下で働く方が合ってるんだよなー。安心という保証付きだし。
さて、どうしようか。
日々、そんなことをグルグル考えています。

でもいいですね、たまには迷うことも。
自分という人間、その人生を考えるいい機会であります。

さて…私がグラフィックデザイナーとして初就職した会社の話をしましょう。(そう、18禁のアレです)

その年は就職難で、新卒の就職希望者が巷にあふれていました。
私も履歴書を何枚も書き、日々就職活動に勤しみましたが初心者マークのデザイナー未経験者などどこも雇ってくれませんでした。
もう10社以上まわったところでしょうか、面接が終わると同時に「あなたを採用しましょう!」と言ってくれた会社がありました。それが、この話の舞台、メロンデザイン(仮名)です。

社長はでっぷり太った40代後半と思われる男性。そしてベテランデザイナーとして30代くらいの2人の女性がいました。給料は思いっきり安かったものの、とりあえず経験を積める…と思い、喜び勇んだ出社当日。驚くことに、8畳くらいの作業部屋に、6人の新人(全て女性)が。
先輩含め、8人で所狭しと机を並べ、各先輩に3人づつアシスタントとしてつくことになりました。
旅行のパンフレットを作っているその会社は、いつも仕事に終われていて(パソコンに苦手な先輩たちが手作業で進めていたのがその根源)、アシスタント6人はいつも帰りが終電。泊まれる人は泊まりと決まっていました。そして先輩2人は「必ず」泊まって、週末だけ、家に帰っているという状況。

私は両親から「終電でもいいから必ず帰るように」と言われていたので、14時間くらい働いているにもかかわらずいつも「すみません…」と謝りながら帰っていたものです。
そんな勤務状況なので最初の1ヶ月で2人の新人が脱落しました。そして次の2ヶ月でまた1人…

ある日、帰り支度をしていると隣の社長の部屋から「今日は疲れているからもう寝ようか〜」と声が聞こえてきました。なんだか不穏な空気を感じ、帰り際に社長の部屋をひょっこり覗くと、なんと先輩が3枚の布団を社長の部屋に敷いているではありませんか!まさか社長と一緒に寝るんじゃぁ…
そのまさかは現実であり、いつも泊まった社員は、社長と布団を並べて寝ているとのこと。
いくら鈍感な私でも「ちょっとこの会社おかしいかも…」とうすうす気づき始めました。
しかもそのうち、会社に慣れた私たちに、社長が「疲れただろう?マッサージしてあげよう」なんて言い出すように…もちろん「いえ!全然疲れていませんので!」きっぱり断っていましたが…
もちろん先輩方は嬉しそうに社長の部屋へ行くのでした。

ここまで書いていて「なんでそんな変な会社、辞めないんだ!」と疑問に思った方。
ごもっともです。私も今では「バカだな〜早く辞めればよかったものの」って思います。
でもその頃は、少しでも経験を増やして次の就職を有利にするための我慢だと思っていたんですねー。(バカですねー)

そんなある日、名古屋出張の話が持ち上がりました。社長が、新人の中でもお気に入りのKさんを同行させる、と言っていたのですがKさんは危険回避能力が働き出張直前に退職。お鉢が私にまわってきました。
「社長と出張(しかも1泊)?絶対やだ!!」と思っていましたが、結局他に行く人がおらず私が行くことに。
「まぁ、しょうがない。行ったからにはちゃんとイベントの仕事をこなそう」そんな殊勝な私の思いをあっという間に粉々に砕く出来事が。。
ホテルにつき、チェックインが終わった社長の手には鍵がひとつ。
よっぽど私の顔面が蒼白だったのでしょう。焦って言い訳する社長。
「あのね、部屋はひとつだけど、ボクは夜は接待でお客さんと朝まで飲みになるから荷物は置くけど部屋には戻らないから」
「はぁ…」
ものすごく身の危険を感じたものの、その事が嘘じゃありませんように…と願い、仕事を終わらせ一人で食事をし、ホテルの部屋に戻った。
時刻は12時。さてそろそろ寝るか…と思ったその時。

ガチャ。

(゚Д゚;≡;゚Д゚)が…がちゃ??

「いやー飲んだ飲んだ」
くぅ〜〜〜このタヌキ社長め!!なんでこんなに早く帰ってきてるんだっ!!
あぁそうかそうか。最初からそういう気だったか。

もうその夜は生きた心地がしなかった…
「さぁ、こっちにおいで」とか「デザイナーという職業は感性が大事な仕事だから…」とかお得意の「マッサージしてあげる」とか「もうちょっと経験積んだら、博○堂の担当にしてあげよう」とか、
そりゃ〜もう、汗、汗、汗…
「いやです」「ダメです」「勘弁してください」
なんて恐ろしい一夜だったことでしょう。
とにかく、どうにか丸め込もうとする社長と、触れたら刺す!ぐらいの殺気立ったわたし。
明け方社長は鼾をかきながら寝始めましたが、もちろん私は一睡もできず…

次の日朝イチの新幹線で帰りましたよ。もちろん辞めましたよ。

いやー、ビックリですね、こんな会社もあるんですね!
しかも十数年前の私、かなりバカですね!
社会経験のない女性ばかりを雇ってこんなことばかりしていたたぬき社長、きっと訴えられたりとかしているのでしょう。

…というわけで、今では笑って話せる、苦い社会の第一歩のお話でした。
おしまい。

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コメント

ああああああぁっぁっぁぁあああ!!!!

生々しい♪

18禁と書いてあったので
最後までワクワクしてみてしまいました…

僕の業界は美容ですけど
何となく似たような事もありました

本当に若い時って真っ直ぐだから信じてしまうんですよね
今だから笑えますけど…

類似経験をもつ僕としては
他人事のような気がしませんでした!

投稿: 肥後 | 2008年10月 3日 (金) 08時46分

>肥後さん
やっぱり、美容業界って…あるんですね…
もしかして、それってNAN色ってやつですかね。先輩に見そめられてしまったとか(>_<)あぁ、想像力豊かですみません(汗
でもお互い、それが笑えるようになったのでヨシ、ですね!

投稿: しー | 2008年10月 3日 (金) 10時21分

そうだったねぇ~sweat01
あの頃、爆発的に忙しかったしーちゃんにエラいことが起こってしまったshock
…と青くなったっけsweat02

その頃って我々も「やっと見つけた就職先…頑張らねばsign03」って必死だったよねsweat01
そこに漬け込んだ、悪質な会社(社長sign03)だったと思うよangry
今でもあるのかねsign02その会社

投稿: ぽんた | 2008年10月 3日 (金) 13時57分

>ぽんたさん

あはは〜覚えてた?
あの頃は若さもあり、やたらガッツがあったのも要因だと思われ(笑)
「敷居をまたげば、男には7人の敵が居る」っていうけどさー、女にも当てはまるよね(^_^;)

投稿: しー | 2008年10月 3日 (金) 14時48分

(*/∇\*) キャ~
ありますあります、こういう無鉄砲で純粋な時期heart
ヒジョーに懐かしい思いで読んじゃったよcoldsweats01

それにしても、ものすごい会社だね?
お布団が2組なら、まだ普通に想像もつくけど
3組並んじゃうと、その3人は明かりが消えてからどうなっちゃうのsweat01
恐ろしい妄想が・・・wobbly

しーさんの
「いやです」「ダメです」「勘弁してください」
これがなまめかしくて、官能的すぎちゃうheart04
おばさんにこれ以上刺激しないでおねがい。

くらくら・・・。

投稿: あこ | 2008年10月 3日 (金) 22時46分

>あこちゃん
え〜〜あこちゃんにも「無鉄砲で純粋な時期」があったのぉ!
それはぜひ聞かせてほしいものだわ〜(笑)
ね。あの3組の布団を並べた光景が目に焼き付いていて、多分一生忘れられないと思う。多分わたしとあこちゃんの想像を超えてると思うよ(-_-)

投稿: しー | 2008年10月 4日 (土) 12時35分

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