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2009年10月

恩師との出会い~この音は何色?~

「ミクちゃん、絵の具を使って絵を描くとき、濃い色を乗せるでしょう?ここはそんな感じで弾くんだよ」

「何色の?」

「それはね、何色でもミクちゃんの想像でいいんだよ。何色がいいと思う?」

「うーんとね、水色」

「そうかぁ!先生も水色が似合うと思うよ」

週に1回のピアノのレッスン。

私も同じ部屋の、邪魔にならないところに座ってその様子を聞いている。

それにしても、ピアノのM先生は素晴らしい先生だ。

ただピアノを弾かせるだけではなく、読ませて、歌わせて、書かせて、たっぷりとした情緒を交えながらさまざまな角度からピアノを超えた「音楽」を教えてくれる。

しかも怒らない。声を荒げない。これって実はすごく難しいことなのだ…

 

私がピアノを習っていた遥か昔、引っ越しなども含め4人の先生に教わることとなった。

だいたい、どの先生にも共通していたのは、怒るとものすごく怖いということ。

怒られると委縮してしまって、なかなか思うように弾けない。またあんな風に怒られるのかと思うとお腹が痛くなってピアノを休んでしまう日もあった。

幸い最後に出会った先生は懐が深く、出来の悪い生徒(わたし)にイライラしながらも忍耐深く接してくれたため、この先生とは一番長い付き合いになった。

だから、M先生のレッスンを聞いていると、思わすじーん…としてしまう。

まず褒める。いいところを探し出して褒める。生徒の心に余裕が出来たところで、「こうしたらもっとキレイになるんだよ」と教えてくれる。たとえば、絵を描くのが好きなミクのためには絵の具の例えを持ち出したりしてくれる。

最初は気のりしてなかったミクも、いつもピアノが終わるころにはイキイキした顔をしている。

いい先生に出会えたなぁ…

 

そして自分も、恩師を思い出す。

高校入学時、音楽クラスを選択したのに、定員にあぶれて美術クラスにまわされた私。

でも実はそれが美術部のI先生との出会いであり、自分のその後の人生を変えた出来事だった。

美術の時間に油絵と出会い、美術部に入部を決め、恩師であるI先生にデッサンや油絵を教わった。

Img_4646_3そして今の、グラフィックデザイナーである自分がここにいる。

もしあの時音楽クラスに入れていたら、今、私はどこにいるんだろう?

人生は運命のいたずらによって、そしてたった一つの出会いによって、いかようにも変わるものなのだ。

 

ちなみに…ミクと先生の会話の続き。

先生「水色もいいしね、あとはキラキラ光る銀色とかね~」

ミク「ぎん色!も、いいけど…でもせんせい、わたし、ぎん色もっていないのよ。ぬれないよ…」

…ここで黒子のように気配を消していた母、大爆笑。先生もそれに続き…

「あはは~~!!ミクちゃ~~ん、あのね、本当に楽譜に色を塗るんじゃないのよ~!濃い色は重い、大きな音で、うす~い色は、優しく小さな音で弾く、っていう意味だったんだ~あはは~でもちょっと難しかったよね?」

ハイ。先生、せっかく素敵な説明だったのに理解力に問題アリでゴメンナサイ。

あやうくミクは来週、楽譜を色とりどりに塗りたくってくるところでした…o´Д`oハハハ

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祖父と阿蘇のこと

父方の祖父の記憶はない。

私が2歳のときに癌で亡くなってしまったから。

どうやら初孫である姉を猫っかわいがりしていて、次女である私が隣にいても「おぉ、いたのか!」ぐらいの扱いだったらしい。

「お刺身を注文するときもねー、3歳のお姉ちゃんが一皿、私としーちゃんで一皿だったのよー」母の忘れられない思い出のひとつだそう(笑)

祖父は頑固で気が短くて、今ではあまり見られない光景「ちゃぶ台をひっくり返す」を地で行く人。でも男気があって本当は優しい、生粋の肥後もっこすだったとか。

今回の熊本行きはそんな祖父の33回忌。

祖父の思い出話を聞いていたら、ちょっとすれ違っただけの人生が残念に感じた。

頑固で気難しいおじいちゃんと話してみたかったなぁ。

今、同じ時を生きる人たちは本当に貴重な一瞬を共有しているんだなぁ、と改めて感じる。

人との関わりを大事にしなくては。

ところで久々の熊本、すごく気持ちよかった。

Img_4559 1泊2日はあっという間だったけど、

まだまだ元気なお祖母ちゃんに会えたこと。

ミクと早起きして木の実や野草を摘みながら散歩してまわったこと。

法事でのお料理が、笑えるほど品数が多かったこと。

フライトまでの数時間に阿蘇をドライブしたら、ススキやセイタカアワダチソウの群れが黄金色に光ってとても美しかったこと。

そして…

帰りに、そんないい光景を胸に空港へ着いたら、ホテルの引き出しに家の鍵と羽田に預けてある車の鍵を置き忘れたことに気づいたこと…く("0")>

ま、いろいろありましたが、良い2日間でありました。

無事に東京に降り立ち、車に乗り換え首都高を走ってるとき…

「コンクリートジャングルだねーーー」

「だねーーー…」

改めて、東京という街の硬さにハッとしました。

Img_4620_2胸に思い出されるのは、数時間前に見た阿蘇の山稜。

気持ちまで澄み渡るような景色。

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秋のベランダと、オペラの夕べ

Img_4529 「俺、この紫のツブツブがい~~!」

紫式部ですか。和ですねぇ…

「あたしこの…この…えーと、コスモス?」

ダリア、深くて綺麗な色だね~

「これ、どう?」

シクラメンときたか…、ま、どうしてもというなら…

見事にみなさんの意見がバラバラ。イギリス庭園が遠のく…(ま、もともと近くなかったけど)

久々に訪れた園芸店は、秋の花がずらりと勢ぞろい。

たくさんの花を抱えて帰ってきたあとは、ミクと2人でベランダの手入れ。マリーゴールドはごてごてしてて昔は苦手だったのに、香りが清潔で優しいからかなぁ、それとも眩しいほどの明るさに惹かれて?5鉢も購入。

ソーの背より大きくなった大きくなっていたゴールドクレストが今年2本も枯れてしまい、それを抜くのがえらく大変だった。葉がすべて針のようだから(小さい時はあんなに柔らかかったのに!)プランターから抜こうとちょっと触れるだけでも「痛っ!」「くぅ~~っ!こいつめ!」なんてミクと大騒ぎしながらどうにかこうにか抜いて、太い幹を折りながらポリ袋に入れるだけでもくったくた。

その後方々に飛び散った土を箒で掃き、水を流しながらデッキブラシで床をごしごし。ガーデニングは肉体労働だなぁ、と力尽きたわたしでした…

でも重労働のあと、部屋から眺めるベランダは素敵。西日を浴びたお花たちが元気に咲き誇っています。

仕事に行く時、自転車から見上げるベランダがまたいいのよねー。

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昨晩は姉出演のオペラへ。

「ドン・ジョヴァンニ」は何回か観たことがあったけど今日が一番面白かった~

会場はコンパクトだったけど音響もいいし、生オケはチェンバロが耳に心地よく。

役者揃いで、迫力の歌声とともに、かなりドキドキハラハラさせられた2時間半でした。

それにしても、あそこまで好色のドン・ジョヴァンニは呆れを通り越して面白さ全開!

お金があって甲斐性があってマメで少々のことではへこたれない粘り強さがないと、ドン・ジョヴァンニにはなれないので…

かなり狭き門だと(笑)

あ~~人生経験に、もう1回観たいぐらいです。

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今年は台風とともに7歳。

「えぇっ!!なんで!!!」

背中のリュックを下ろすこともなく、片手にイルイル(イルカのぬいぐるみ)、片手に紙っきれを持って玄関で立ち尽くすミク。

紙っきれにはこんなことが書いてあった。

“だいすきなミクちゃん

7さいのおたんじょうびおめでとう!!

イルカのイルイルより”

帰宅すると、玄関にイルイルからのバースデーカードが。

ミクの興奮はあっという間に頂点へ。

「マ…ママが書いたの…!?」

そうだよね!そんなわけないよね!わたしももう小学生だからそのぐらいわかるって。

まさか、まさかとは思って聞いただけ。

「え?知らな~い。母さん今朝忙しくてそんな暇なかった」

「じゃ…じゃぁ、まーさん(父)かな…」

まさかそんな!いや、違うよ。まーさんに決まってるよ!でもでも…

「まーさんミクより早く出たでしょ。違うよ」

「…………い…イルイル~~もしかしてイルイルが書いてくれたの!?」

イルイルと見つめ合うミク。

イルイルはクリンとした優しい目で見つめるだけで、答えはない。

信じられない出来事だけど、もしかしたら本当なのかもしれない!

いや、でもぬいぐるみが手紙を書くなんて…

でもでも!いつも一緒で誰よりも親友なイルイルだから、頑張って書いてくれたのかもっ。

そんな彼女の心のうちが手に通るようにわかり、母は心の中で噴き出してしまい(ごめんね)冷静さを保つのが大変でした。

ちなみに…

仕事から帰ってきたオットから「ミク、イルイルのこと可愛がってるからなぁ…きっとイルイル頑張ったんだね」との最後のひと押しを受け、ミクの疑惑は確信へと変わったのでした。

Img_4525 ミク、7歳のお誕生日おめでとう!

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「パンダのシズカくん」

Img_4506 本日も雨模様。

明日は中秋の名月が見られるかな…。

←我が家ではピンポン菊と上新粉でスタンバイ。

10月に入って時間的余裕ができたので、子どもたちの「寝る前の絵本」を再開。

ミクが図書の時間に借りてきた本の1冊のタイトルがものすごく気になっていたわたし。

その名も…

「パンダのシズカくん」

ジョン・J.ミュース(作・絵)/出版社:フレーベル館

この絵本を読んであげながら、実は自分がものすごく引き込まれた。

そばで聴いていたオットも、読み終わったとき「おぉ~~~」って言ってました。

パンダのシズカくんは、お友達になった3兄弟に、それぞれの心境に合ったお話をしてくれます。

その内容は禅の心に基づくもので、ちょっとしたユーモアもありつつ、ふと考えさせられて心に残るお話が印象的でした。

↓たとえば一番年下のカールくんに話してあげたお話。(あらすじ)

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川を渡ろうとしたけれど、着物が濡れる!とお付きの者に怒っていた女の人。

若いお坊さんは、そんな場面に出くわし、素通り。

年上のお坊さんは、女の人をさっとかかえあげて向こう岸まで連れていってあげた。

女の人は、お礼も言わずに行ってしまった。

しばらくして若いお坊さんが我慢できなくなっていった。

「あの女はわがままで不作法だった。あなたが向こう岸までつれて行ってあげたのにありがとうも言わない!」

「それは、とうにおわったことじゃ」と年上のお坊さん。

「どうしておまえは、まだあの女をおんぶしておるのじゃ?」

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あるね、こういうことってある。

でもそういう時って自分では気付けないんだよね。

パンダのシズカくん、うちにも遊びに来てくれないかな。

(シズカちゃんならいるんだけど…、笑)

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